2017パラ水泳~近畿大会~

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7月2日和歌山県秋葉山公園県民プールにおいて第28回近畿身体障がい者水泳選手権大会が行われた。近畿大会は毎年開催地が異なるが、和歌山県で行われたのは今回が初となる。

ベルリンで7月上旬に世界大会 があったこともあり、リオ デジャネイロパラリンピックを経験した選手の出場は少なかった。しかし、その中でリオ出場の笠本明里は1レース目となる100m自由形で自身も納得の泳ぎを見せ大会新記録を打ち立てる。

神戸楽泳会のメンバーとして出場したフリーリレー・メドレーリレーでもその実力を発揮し、1位フィニッシュに貢献した。

また、国際大会の経験豊富な江島大佑も出場。50m自由形と100m自由形で大会新記録を更新してみせた。

今大会では身体障がいを持つ選手だけでなく、聴覚障がいをもつ選手も出場した。世界大会に出場した経験をもつ中川裕介は100m平泳ぎで大会新記録を更新するも、「スタートの浮き上がりに失敗して自己記録は打ち破れなかった」と悔しさを見せた。

和歌山県で開催されるのは初めてということで運営の難しさもあったという今大会。しかし新たな場所での開催は裾野の広がりが進んでいる証であるともいえるだろう。さらに、開催された秋葉山公園県民プールは国体の開催によって4年前に改修されたばかりの新しいプールで、設備も非常に充実している。レッジやバックプレートが導入されているだけでなく、スタート時にプールサイドのライトが発光するようになっている。聴覚に障害のある選手はスタートを見ることでしか判断できず、スターターが持つ光るピストルを見なければならない。しかし、プールサイドにライトがあれば見ることが必要なくなり、スタートがしやすくなるのだ。「記録が出やすい」と中川選手も笑顔を見せた。

笠本・中川両選手も世界レベルの施設と認めるこのプールでの泳ぎが好記録に繋がることは選手の励みになっている。初めての試みは多くのメリットを産みだした一方で、まだまだ問題はあると近畿身体障がい者水泳連盟の杉山会長は指摘する。人々の持つ障がいは様々であるのに、柔軟な対応ができていなかったことを挙げて自分たちのやり方とずれがあったという。来る2020年に向けてマスコミでの注目度が上がり、選手たちが「アスリート」としてとらえられつつある中で2020年のその先を見据えることの重要さにも触れ、「競技人口の高齢化は止まりつつあるけれども、もっと競技人口が増えてほしい」とも話した。

競技者が2020年とその先へ挑戦し続けていくのであれば、競技者だけでなく周りの我々も2020年に向けて挑戦していかなければならないと気づかされた取材だった。

 

 

 

広報インターン生 尾崎崚登 (慶応スポーツ新聞会)